十一面観音菩薩像
十一面観音菩薩は、観音菩薩の変化身の一つであり、六観音にも数えられる尊い菩薩さまです。頭上に十一のお顔をいただき、あらゆる方向から衆生の苦しみを見守り、その人に応じた救いの手を差し伸べてくださるお姿を表しています。
当寺の十一面観音菩薩像は、現住職が修行安居した永平寺別院長谷寺の十一面観世音菩薩像に深く心を寄せ、観音寺にもおまつりしたいとの願いから建立を発願しものです。本来、この欅は将来の本堂建立の際に丸柱として用いるために用意していたものでした。しかし、新型コロナウイルス感染症の早期終息と檀信徒の皆さまの家門繁栄を祈念し、仏像としてお迎えすることとなりました。
彫刻家・栗田広行氏により、欅の一木からチェンソーアートの技法を用いて彫り上られた御尊像は、高さ約二・五メートルにおよびます。観音さまの力強さと深い慈表されたお姿です。
十一面観世音菩薩は、現世において「十種勝利」、来世において「四種功徳」を授けてくださると伝えられています。当寺では、これらを単に願い求める利益ではなく、観音さまの慈悲を拠りどころに、自らの心と行いを調え、日々を安らかに生きるための教えとして受けとめます。
十種勝利(現世の利益)
病苦を離れ、諸仏の守護のもとで日々を安らかに暮らすこと。必要なご縁に恵まれ、怨みや災い、毒・病・刃物・水難・火難などの危難を遠ざけ、心身ともに健やかに寿命を全うすることを願います。
四種功徳(来世の果報)
いのちを終える時にも如来の慈悲に包まれ、安心して最期を迎えること。迷いの世界を離れ、仏さまの智慧と慈悲に導かれ、安らかな境涯に至ることを願うものです。
御尊像に手を合わせ、日々の無事を感謝するとともに、苦しみや迷いの中にある人々へ心を寄せ、慈悲と思いやりを日々の行いに表していくご縁として、大切におまつりしております。